EUC-JP to UTF-8 七尾線・徳田駅

徳田駅

2008年4月 (七尾線・とくだ)

  朝4時50分ころ、ようやく薄明がかりはじめて、周りの様子がしっかり掴めるくらいになった。空が白っぽくなると、もう雰囲気まで汲み取れるようになる。こんな感じのところだったか、と思わされることが幾度もあり、夜や未明に正確に想像するのはやはり難しいことだった。

  ホームを散歩すると冷涼な空気の中、こまかい葉の緑が多様に群在していた。小鳥の甲高くも小さなさえずりが、寝起きの耳に障る。空に薄雲が刷毛で延ばされていて、小鳥や若い緑を陽射しから守っているようであった。

 

七尾方面。

柵越しに垣間見た駅前の様子。

ここは上りホーム。

羽咋・金沢方。

隣のホーム越しの様子。ちょっとした山がはじまっている。

この駅の持つ牧歌的一景。

信号機室あたりから七尾方面を望む。遠くに八重桜が咲いている。

  羽咋からの各駅は平野を見せることが多かったのに、ここはうって変わって山裾に挟まれた、ものさびしいところだった。裏は雑木林で、昔の紡績工場か倉庫のようなものが放置されてあった。七尾に行くまでにこんなところがあるということは、七尾へはやはり氷見経由か、船で行くものかなどとたいそうに考えたりした。

駅舎ホーム軒下の様子。そういえばこの駅には上屋がない。

新築だがちょっと昔堅気な様相。

羽咋・金沢方面の様子。

駅の裏手の元倉庫か工場。かなりもの寂しい雰囲気だ。

 

跨線橋にて。金沢方面。

山の町。山もけっこう深い。

七尾方。

跨線橋を下りてすぐのところに裏口がある。

 

 

 

 

裏口。

裏口から出て能登二宮方。

立入禁止となっていた。

 

 

下りホーム待合室内。昨日居たところ。

 

裏手の民家兼美容院。

 

駅舎から見た改札口の様子。

駅の重要設備3点。

待合室の入口。天井も高い。

 

待合室内。

学校に置いてあるような机が一つ置いてあった。 ごみ箱も灰皿も木で化粧されている。雰囲気にこだわったようだ。

この辺の絵地図が飾られていた。子供が描いたのだろう。 駅名表だけ妙にリアル。

飾ってある作品はこれくらいだった。

待合室の付きあたりもドアになっていて、ここからも出入りできるようになっているが、いつも施錠されているようだ。

ホームの様子がよく見える。

突き当たりから見た待合室内の様子。

駅を出るときの光景。

  駅を出ると放射冷却のせいでとにかく寒い。毛織一枚でじっとしていられなかった。でもある家の前で、お爺さんが新聞を地面に寝かせて、物音も立てずしゃがんで読んでいて、よくあんな芸当ができるなと感心した。ただの集落であるから、車も人も通らない。昼でもそんなところのようだった。
  ここに着いた夜に、店などない、といったものの、理容が二件もある。駅にもいろいろあり、駅前にまさしく民家しかない駅の次に来るのが、家々と理髪か美容院のある駅となっていて、それで密かにこの業種を一つの指標なんかにしている。さすがにカットだけで隣町まで行くのは面倒だし、家ばかりの駅前でも、こうして駅前にあることがあるのだった。喫茶店などがあるのはたぶん上級に位置する。今は潰れていることも多い。

 

少しお洒落な感じはなくはない。

 

 

 

近くの民家の間にあったとある畑。

駐輪場の様子。

能登二宮方。

 

 

 

 

  でもほかに店はないのかいな、と、朝に食べるものを探すついでに、歩きまわったが、ありそうな雰囲気が少しもしなくて、探索中止。やはり山裾と宅地だった。しかし学校がちらっと見えたので、どこかに商店はあるのだろうな、と思った。それに見つけてもどうせまだ開いていないというのもあった。

少し変わった建物だなと思った。

駅の駐車場。

徳田駅駅舎。

 

案内先が七尾ではなく、白馬!

裏側は徳田駅が案内されていたが、あれより先は何もないのだろうか。

道路から見えた七尾線の様子。学校が見える。

このように道路から線路に降りていく道がついていたのだ。

国道157方の道。

駅前付近の様子。

 

 

  そういう町に、燻煙したような黒板張りの駅が新築されているのだが、ふれあいギャラリーとなっていて、あれっと思う。ギャラリーたる水銀灯輝く土足ホール、もとい広い待合室に、展示はほとんどなかった。けっこう、贅沢な使われ方だが、それはそれで余裕のある感じだったので、私としてはよかった。ただもとから展示に向いていなさそうだったため、どんな使われ方をイメージして設計されたのだろうと、考えることになった。ここで朝市など何か催し物がなされるのだろうか。そうでもなければ駅だけの駅の感じだった。しかしもてあまし気味なのが、旅人の翌朝待ちの当てになったのだから、駅よ、お勤めご苦労だったな。じっさいはホームの待合室でお世話になったのではあったが。

  あたりは和やかに明るくなってきて、そんなころになって、6時半の下り始発を、座って待ちはじめた。時刻は6時ちょうどくらい。30分くらいなら少しも手持ちぶさたでない。 さて次は七尾、そして、和倉、田鶴浜と、今日は旧七尾線に入る。ただ七尾はまだ忙しいころあいなので剣呑だった。
  下り始発の時刻が迫ると、体操着の女子高校生などが数人駅に来た。車で送ってもらった子も一人あった。しかし車も人もそれぎりだった。彼女らは駅舎や、向こう側にある下りホームで、朝の低血圧のおしゃべりをしつつ待った。

  私がほんのり慌ただしさを迎えた駅舎にいると、向かいのその下り線に、特急列車が入って来て、停まった。交換待ちだ、と思い、ぼんやりそのままにしている。当然その列車で下りホームで待っているはずの彼女らの姿は隠されている。
  しかし、下り普通の時刻が刻一刻と迫り、「おかしいな」。普通列車が上り線に入って、特急を追い抜くわけがない。それで、急に、あっ、と何年も前に聞いたことのある話を咄嗟に思い出した、七尾線下り始発は、特急列車の送り込みを普通列車代わりにするのだという話を! まだそんな体制だったか! しかしまずい、乗り逃す、行かないでくれと心の中で列車を手で押さえつつ、走った。もちろん下りホームで待っていた彼女らは、とっくに乗りこんでいて、ホームに人影はない。
  私も特急車両の車内に乗り込んだ。厳然たる優等列車が目に新線で豪華だった。しかしクロスシートがすべて進行方向と逆になっていた。送り込みだから車掌はわざとこうしたままなのだろう。それに客も少ないはずなのだった。また車両もいちおう最新型だが、すでに新しくもないようで、シートはちょこちょこ汚れていた。

特急車両の車内にて。

 

  車内にはさきほどの体操着の子らが、横に大きな窓を添えて、くつろぎながら談話している。いいな、と思うけど、次の七尾で終点だし、たいしてよくもないか。窓越しに駅舎を見ていると、また同じ体操着の子が到着して、今から乗ろうとこっちに向かってくる。どうもしばらくここで停車するようで、私はあわてる必要はなかった。車掌が発券機 手に回って来る。ここは券売機があるけど。
  それにしても特急車両の窓から、集落を擁するような駅の風景を見ると、俄然立派に、そして旅情ありげに見えるのだから、何か映画用のレンズで撮ったもののようで、私は、現実と違うことに、ため息が出た。

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