久留米駅
(鹿児島本線・くるめ) 2008年3月
鳥栖からわずか8分で、久留米というまた別の街に着く。筑紫川を渡ってすぐのところとなっている。鹿児島本線はこうしてしばらく、断続的に都市を連ねることになる。久留米は全国的に有名で、久留米絣が思い浮かぶ。
新幹線の駅が併設されるということで、散髪したてのようにホームはさっぱり新しくなっているし、裏手は鉄骨組んで工事の真最中で、特に、何もなかった。ただ列車が到着すると「くるめぇ」という喉の詰まったような女声の放送が響き渡って、それがとりわけかつての久留米駅を偲ばせた。しかしこの「くるめぇ」の響きを何度も聞いていると、「来るな」に感じられてきて、いじわるでもあった。
ホーム端付近で、工事の様子を撮っている人がいて、九州新幹線の建設を追っている人のようだった。きっとこのあたりに住んでいて、ちょっとした、気晴らしをしているように見えた。それで、700キロも離れたところからやって来て、今、有名な久留米というところに、気楽にしつつ自分がいることが、ふいにおもしろく狐疑された。
1・3番線のりば。
3番線のりば。こちらを見ると色使いに乏しい。
隣の4・5番線ホーム。新しい駅にもかかわらず、
こっちに向けて鳥栖・博多方面との案内表示が出されていて丁寧だった。
奥では新幹線の高架工事。
鳥栖・博多方面。
待合の風景。長椅子が用意されていた。
隣4・5番線ホーム。熊本方端まで見通せた。
駅舎側。街の様子は窺われなかった。
駅舎裏付近の様子。乗り場があったが、廃されて今はよくわからない使われ方となっていた。
階段を降りたところから見た1・3番線ホーム。2番線は南側に切り欠きホームとしてある。
1番線の様子。久大(きゅうだい)本線の日田行きが案内されている。
3番線。
新コンコース。間接照明やレンガも使って、上品だった。
1・2・3番線ホームに降りるエレベーター。
右奥シャッターがあるにもかかわらず手すりが付け回されていて不思議だった。
下りホーム下り口の様子。
上りホーム4・5番線ホーム下り口前にて。
博多方面を望む。
4・5番線ホーム。
4番線から見た隣の1・3番のりば。
基礎は従来からのものを流用。こうして駅が新しくなっても
古きものは残っていくのだった。こちらの4・5番線ホームは初めからなかったので
新造された。
自由席特急券券売機があった。工事は少しやかましく賑やかだ。
5番線。隣ではまだ駅の高架ができていない。
4番線。新しくなった乗り場番号案内にも「のりば」とわざわざ付記。
博多行きのリレーつばめが到着。それにしてもこの車両重そう。
隣のホームの様子。
階段前と待合。
上り方。
ホーム鳥栖博多方端にて。
イラストはつつじ。久留米市の制定花なのだそうだ。
コンコース下にて熊本方。これより先の上屋は違った形のものとなっている。
隣の様子。構造が生々しい。上屋はコンコース下でも付けられている。
4・5番線ホーム熊本側の屋根の下にて。なんとなく落ち着く。
切り欠きの2番線のりばを望む。久大本線の列車しか発着しない。
コンコース下にて博多方を。
通路から見た新しいコンコース。
ここを上るとコンコース。
駅舎はまだ古いのを通路を接続して使っていた。
階段から地平の回廊に降り立ち、冬っぽい柔らかな陽射しを浴びながら有人改札に入ると、満足げなはきはきした声で、どうぞ、と言うので、この切符はそんなに喜ばれるものなのかと、本来その切符そのものがおよそ持つとは規定されていない優越を、授かった。青春18きっぷなのだ。
久留米は大きい街である。でも駅は駅舎内は外と隔てがなく、寒々としていて、風景も白っぽい。2階分の高さの天井があるのも反って、そらぞらしかった。階段が付いていて以前は2階に何か入っていたらしいが、今は閉鎖されている。とくに売店の賑やかさもなく、そこそこ多い人たちが当たり前のように駅を使っているだけだった。さらりと澄ましている。しかしみどりの窓口が大きく、売り上げはよさそうな駅だった。
改札口へ。
改札内コンコースにわざわざ待合室が設置されている。
有人改札はゲートが下りていたが、貧相な板一本だった。
駅舎内。
おそらく昔はもう少し改札口が広かった。左半分。
コンビニampmとお土産売り場のある一角。
2階に上がる階段。
おみやげ売り場(Kiosk)から見た改札。上の広告は全部JR九州のものだった。
券売機前。この日はまだ路線図を見なかった。
五十音順はこれはこれで探しやすい人もいそうだ。
駅舎内から見た駅舎出入口。
コンコースはこのように半分に分けられ、
こちらは待合や売り場となっている。
二つに分けるパンフレット棚。ここから見ると少し広く見える。
たぶん壁が斜めになっているところには窓口があったのだろう。
みどりの窓口。旅行代理店JOY ROADが奥に入っている。
出札系統。
外へ。
いきなりでんでん太鼓が現れたと思ったが、からくり時計なのだという。
待ち合わせの目印になっていそうだ。
駅を出て左側の様子。もっぱらタクシー乗り場。
市街中心は離れているらしいから、よいかもしれない。
軒下の風景。
外から見たコンコース。
その2. 左の階段は個人宅の門のようなもので閉じられている。
軒が重そう。
向かって左側には店が並んでいた。駅弁あり。
駅舎前の様子。熊本方。
みどりの窓口前。
ロータリーはここしかない。
久留米市観光案内所、レンタサイクリング、駅レンタカー、コインロッカー、お手洗い。
野ざらしの公衆電話に驚く。
このあたりはいかにも手つかずだった。
その付近から見た駅前の建物群。静かである。
日通事務所。かつてはたいていの駅前にあった。
それにしても昔の趣をとどめつつ、
廃墟になっていないものを久しぶりに見た。
久留米鉄道事業部工務。今様の建築。
かなしい造りだが、仮住まいなのだろう。
タクシーロータリー。熊本方。
一部はコンクリート舗装で駐車場になっていた。
犇めくタクシー。
駅前はずれから見た駅舎。
横から見た駅前広場。
駅前の歩行者の広場もあまり開放感がなく、はたと考えてみると、駅舎の軒が深くて、暗いのだった。また箒になった街路樹も目立っていた。もう16時だ。
大通りに出ると久留米らしく都市になっていて、けれども振り返るとこれが駅はほとんど目立たない。駅前の冬木立ちが多い。それはそれで良さそうだが、なんだか街が新幹線開通に向けて力を蓄えてきたかのようでもあった。あたりはちょうどビルの建設などが進んでいた。
駅からの道沿いにはビジネスホテルのあるのがはっきりわかり、持ち帰りの店などもあり、街らしく、充実した久留米でのホテル生活は、この時間帯の塒を欲する気持ちからも、容易に思い浮かんだ。駅の横に、ケンタッキー・フライドチキンがあるのだ。ああ入りたい、と思いながらも、駅を立ち去ったのでした。
小島のように緑地があるのが特徴。
久留米駅駅舎。
その2.
賑わう駅舎前。
このように部分二階にっている。
休憩・待ち合わせスペース。
駅前右手の風景。住んでヨカ、との大書きの不動産屋が九州にほかならなかった。
駅前の道路。左手駅。
バスターミナル。
ラッチも今は多すぎる。
5番のりば前。江見、佐賀、若宮橋、大善寺、綾部経由鳥栖、と書かれている。
トイレあり。
3番のりば前。西鉄久留米、文化センター、野中、競輪場口、高良内、商学部、御井町、矢取。2番はさっきの羽犬塚、1番は日田となっている。
高速乗り場。北九州、福岡空港行き。
3番のりばにて、鳥栖方を見て。
4番は団地(高良内ニュータウン)とだけ書かれている。
1・2・3のりば。
3のりば。
駅舎への横断歩道。
KFC.
からくり時計と駅舎。
駅前通り。
余裕を感じさせる噴水。
わがまちは差別をなくす人間都市、の標語のある駅前のはずれ。
この辺はひっそりしている。
横断歩道を渡って。
なんか変だなと思ったら、花壇に花の代わりに看板が立っている。
こちらもそうだが、九州新幹線の宣伝広告。
駅舎遠景。
その2
駅方向。
市街地方向。
JR交番前、という交差点名。
鳥栖方の風景。
羽犬塚駅で
そうしんみりして終ったが、いい加減何か食べたかったのに、何もしなかったため頭がぼうっとし、そのまま列車に乗ったら、途中で間違いを犯した。列車は準快速で、3駅先の羽犬塚止まりだった。ゆえに熊本方面に下るには羽犬塚でわずかの接続で乗り換えないといけなかったのだが、乗り逃した。周りは新幹線工事で新しいものに迫られる中、羽犬塚駅ホームが枯淡で、こんなところかと跨線橋から見下ろしていると、ホイッスルが聞こえ、もしかしてまさかと覗きに行くと、八代行きが出ていた。注意がそれると私はだいたいこうなってしまう。そもそも、はいぬづか、という名前が強烈なのだ。そのかな書きにも目を奪われていた。這犬塚。墳墓に野犬が這っているのが想像される。
それにしてもなんでこんな中途半端な駅で運用が停まるんだ、やれやれとおもしろ半分に責をなすりつけながら、待合室に近づくと、保線関係のものが多くしまわれた倉庫だった。中に「矢部線通票置場」と書かれた板がある。たいていこんな物置は時間が止まっている。廃線であるのはわかったが、後で調べると、この羽犬塚から八女の方まで矢部線という支線が伸びていたのだった。今も羽犬塚駅は八女市の輸送需要を賄っているのだろう。まあまあ主要駅なのだった。
これはちょっと停車した荒木駅にて。
荒木高架橋の工事中だそうだ。どこも新幹線にまつわる工事ばかり。
羽犬塚で列車を乗り逃した後。羽犬塚駅の2・3番線ホーム。
待合室かと思ったらそうではなく…。
倉庫だった。
おそらく現在でも夜間などに使用されているのだろう。
1番線。鳥栖方向。
1番線から見た倉庫。
熊本方面を望む。
1番線の風景。
2・3番線。壁画に支配されている。
鳥栖方面。
駅名標。左は1番線のもの、右は隣のホームにあった。
相変わらず昔のものを使っている。
名所案内。よく見ると、最後の一つがそれぞれ違っている。
秘境・杣の里とグリーンピア八女。
いろんな種類の駅名標があった。これはJR九州仕様のもの。
しかし形は国鉄からのもの。
裏手にあった日清製粉の工場。
ホームも端の方は昔のままの状態で残っていた。
JR周遊指定地、船小屋温泉、ここで下車とのこと。
周遊指定地は周遊券時代のもので、今は実際的な意味を持たない。
この看板を見て下車する、というより、周遊地名標。
上り列車と駅構内。
辺りは工事中だったし、次の列車は18分後だったので改札を出なかった。
半ば工事中のホームで待っていても退屈だった。もう17時だが、九州に来たため、まだ十分明るい。でもそれだけいっそう、手持ちぶさた。どこで降りるのが最後になるだろう。
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