折尾駅
(鹿児島本線、筑豊本線・おりお) 2008年3月
直方から筑豊本線に乗って20分、筑豊の玄関口の都市、折尾に近づく。ここまで来るともう湊も近いはずだ。ようやく北九州の都市に出た、と胸がふくらんだけど、あたりに崩れかけた民家が立ち並んでいて、これはかなり古くから栄えた街なんだなと思った。
列車はなにかとりあえず継いだような屋根のあるホームに入りはじめる。車内から見た感じ、当座の古い躯体に改修や増設を繰り返してあっちこっちとって付けたような、不可思議な印象を持つ。それで古いのか新しいのかわからなかった。
停車すると駅には似合わぬ新車から皆いっせいに降りて、交流車輌にて稠密に育まれた暖気がまずまずは広いホームになきものにされた。
直方から乗って来た列車。
2番線ホームの風景 - 筑豊本線下りのりば
ここは歴史的かつ利用客の多い駅なのだが、初めて降り立ったホームによって、駅の印象の始まり方は違いそうだ。降りたところは風景からして地平の駅裏側だったのだけど、自動改札を並べた改札口が付いていて、しかも有人。裏だというのにこれだけのものがあるということで、やはり都市だ、と。何気に私は北九州の諸都市に或る種のロマンやあこがれがあったのだった。誰しもそうかもしれない。力強く、人々のさまざまな苦労を感じるという点で、魅力ある都市が連綿としているから。
2番線ホーム、直方、飯塚方の風景。こちら側はがらんとしている。
屋根にはこんなふうに壁のようなものが付いている。
外側から見た様子。ここにもう一線あったのだろう。
今はアスファルトで埋められている。
直方方面、ホーム端付近。ホームだけの駅によくありそうな風景。
向かいのホームの様子。陋屋が並んでいる。
向かいのホームの延長された部分の下には、粗大ごみが。
ホーム端のフェンスより先の様子。線形状、乗降できないが、以前は違ったのであろうか。
フェンスには、ここから昇り降りしてはいけません、改札を通ってください、と掲げてあった。
駅構内を若松方に俯瞰して。鹿児島本線の高架の
横たわっているのがはっきり捉えられる。
隣のホームと民家の並び。
駅名標。見せ場のカットが抜かれている。
上屋終わりの様子。当2番線のは立派なもの。
上屋下から見た線路内の風景。御覧のように2番線のみ電化されている。
それにしても展示ブロックがクランクのようになっている。
木組みがきれいだった。
ホーム中心部に近づいて。
上の写真左手にあった臨時改札口。
内照式駅名標。イラストはたぶん折尾神楽。
改札前付近から見たホーム直方方の風景。右手はトイレだが、
とてもに変わった位置だ。
改札内改札前コンコース。いきなり街っぽくなる。
折尾駅西出口改札。
改札内改札前コンコースの風景。屋根が広い。
隣のホームと駅舎裏。明治時代風かもしれない
上屋に階段が差さり、紙模型を差し込むかのようだ。
左手に通路があるが、2階の鹿児島本線の上りホームへに続いている。
右手の階段が同、下りホーム。じゃあ、この2番線に来るには?
実はどちらからでも行けます。
向かい1番線ホームの風景。
鹿児島本線をくぐる筑豊本線。
改札を出て。九州らしく自動改札にも赤を配していた。
裏口だがみどりの窓口まである。折尾のみどりの窓口はここと表の駅舎内の二箇所。
鷹見口のは違うようだ。
自動券売機前。盛況だ。
とりあえず外に出たいので、裏口たる、西口改札を出た。路面の輝かしい陽だまりに誘われたのだった。けれど風はまだ冷たい。もう少しするとその冷たさも気持ちよくなるだろう。
出たとこを見回すと2階、盛土の例の鹿児島本線ホームの木壁がすぐに見えたし、車道がそれをくぐっていて、裏手らしく狭い感じだったのに、改札や券売機前にはこれから乗ろうとする人が多く、都市の強さが胸に響いてきた。いちおう三角屋根の裏口駅舎が建っているが、外から中の様子は手に取るようにわかる簡単な感じだった。
プラカードを持って立っている人が離れて2人いた。今日は土曜日、風貌からして、何か勉強会でもあるのだろうか。しかしとくにそれを目印に歩いて行く人はいない。この3月は急に陽射しが強くなったように感じるもので、案内係はそのプラカードを頭にかざして、日よけにしていた。
このように屋根が外まで張り出している。
券売機横にはほんのわずかだが着席設備があった。
折尾駅西口駅舎。形はいいが少し簡易な感じ。
西口駅舎その2.
直方方の道。ちょっと工事中。
西口前の様子。
西口を出るとこのようにアンダーパスが待っている。
外から見た駅舎内の様子。
改札を通って見える風景。
暗い中、庭のようなものがある不思議な一角。
私も影に入るため、早くも改札に入り直した。この改札口前エリアは、狭いのりば兼コンコースになっていてユニークだった。床面にあれやこれやと指示が出ていて楽しげだ。ラッチ内にコンビニまである。そのあたりは屋根に覆われて暗いが、そんな中、外の緑が反射して日の光を入れ、その店の明かりが灯ったりで、光が美しいアーケード街中のようであった。
まだ通路が続いているな、と、店の脇を覗くと、暗い中にレンガ積みのポータルがどん、と現れて「これがうわさのレンガ積みか」。なんかレンガ横丁みたいである。けれど重厚美というより、腰回りは白く塗って壁画を書いてみたり、新手の案内板を乱発したりで、今に合うように最大限活用しているといった趣となっていた。それはなにか逞しい無意識の美でもある。街がまだ真価を知らない、というような…。けれどそれは違い、利用者があまりに多い都市駅となってしまったため、そんなこといってられなかったというのが真相のようだった。
改札に入り2番のりばをやり過ごすと地下風通路が続き、別のホームへ移動できる。
直進、2階鹿児島本線上りホーム(4・5)、右手階段は、その向かいの下りホーム(3)、また本式の駅舎への最短での連絡も兼ねる。
レンガ地下道では机を出してとりめしを手売りされていた。人が通るたびに、お弁当いかがですか、という女の人の大きな声が、煉瓦アーチにこだましている。傍に電子レンジも置いてあり、温めてもくれるらしい。なんか人が買いたくなるようなものが支配していて、立ちどまった。まるで人の心を肉声という素手でつかむかのようだ。固唾をのみ、通過する人を見守ってしまう。まだ特急入線の時間でないのかな。主にここで買う人は博多方面に行く人や、九州新幹線に乗る人なのだろう。でもそういう人がいなかったもので、これから特急などで旅を始める人に吹きかけられる掛け声の最後的なものを、改札に放擲される予定の私が知らない間に受け取ってしまって、買ってしまったようだった。
通路から見た2番のりば方。
さきほどの2番のりば。最新式の交流電車が停車。
たぶん高価なものなのだろう。
さっきの階段を上って振り返って。
3番線ホームの風景 - 鹿児島本線下りのりば
そのレンガ地下道には入らず、右の階段を上った。階段を上るとなればたいていは跨線橋なのだが、この駅では2階、鹿児島本線の下りホーム3番線になってしまう。跨線橋はというと、このホームが跨線橋代わり。1階の筑豊本線とクロスしているからね。
階段を上がったところはだけは人の動きを考えてか、ホームでもかなり広く、嵩上げも兼ねてアスファルトでたっぷり舗装されていて木造屋根つきのガレージかのようだった。エレベーターもわざと無理に付けたことをことさらにいいたげで、風景全体ががたがたになっている。おもしろいとしかいいようがない。
階段前の風景。奥の下り階段が、いま上って来た階段。
階段前は舗装道路のようだ。
舗装は最近の改修によるものらしい。一時的なものだろう
エレベーターもなんとか設置。白色が珍しくてきれいだった。
エレベーターの横には別の下り階段がある。これを下りると本式の駅舎へ。
つまりこのホームのこのあたりは地平ホームどうしの跨線橋代わりに使われている。
その階段前の様子。
このあたりは床が盛り上がっているから、屋根の木組みが近い。
小倉方に見た両階段前の風景。
3番のりばから見た隣のホームの階段下り口。
街が広がり見えた。
3番線ホームから見たカーブする隣の4・5番線ホーム。
店が軒を連ねる。
待合室前。かさ上げのため段が付いている。
乗り場は壁側に待合室、売店、格子入りガラスが並んでいてあっというような古風な駅、しかも床面工事のため砂利がむき出しになっていて、もう何時代かわからなくなった。
待合室を覗いてみた。戸を引くがいっかな開かない。やっともう片方の戸の方だと分かり引いて中に入ると、奥に座っていた老齢二人が、あかへんて、わからんのやな、と笑いながらしゃべっていたが、ほどなくして私の存在を忘れたかのように、二人はあけひろげに会話しはじめ、見ず知らずの人でも友好的な人がいるところのだなと信ぜられた。
一人は立って待合室の中に飾られてある駅の白黒写真を見ながら、二人は会話する。
「ここって建て替わるん?」
「そうや。もうここもおしまいや。」
「ずっと一緒やったんやなぁ、へぇ。」
その白黒写真は今の駅風景とそっくりな部分が非常に多く、まさかそんな昔からほとんど変わっていないとは思わなかった。駅というのは案外恐ろしい。
けれどこの二人のやりとりを聞いていると、愛惜は少しもない。むしろ、もういいというような、前進しやすげな地元の人であった。するとレンガ積みや木造の美しさが、急にゆらめいて、白く塗っ、壁画を描かせたものが、生温かい当地の肌にじかに触れるようであった。
この3番線は鹿児島本線だけあって殊に人は多く、後ろに店控えた、幅のたいしてないホームにどうにか短く整列し、特急の入線が待望されていた。そば屋や売店に出入りする人や、壁際の椅子で待つ人の浮遊分子が、いっそうホームを賑やかにした。またこのときはしばしば着物姿の人を見かけ、また奥ゆかしく洋服を纏った、目の丸く黒髪の落ち着いた中年女人などが、自分の視界に流れた。九州まで来たのだった。
待合室内の様子。汽車時代の折尾駅の風景写真が飾られている。
奥の窓の外は通路になっていた。
このようにそば屋に直接入ることができる。
この待合室で頂くこともできるのだろうか。
ホーム側に待合室内を見て。
Kiosk前。なぜか黄色。なんらかの営業形態が違うのだろうかと思った。
隣のホーム、西口階段下り口付近の様子。
博多方に続く隣の4・5番線ホーム。
ホームにはショー・ウィンドーまである。
飾られていたのは生け花と、この石炭を運搬する帆掛け舟。
五平大船というのだという。このあたりと石炭とは切り離すことができない。
若松半島にある「グリーンパーク響灘緑地」の案内図。動物と親しめる施設を含む多目的公園で、入園料100円。
最寄駅は二島駅でそこからバスに乗るが、折尾駅からもバスが出ているとのこと。
店の連なりをすぎて博多方。
格子窓のあるホームの風景。
窓からの風景。西口駅舎前あたりを見下ろしていることになる。
いったい何時代。
隣の4・5番線ホームの様子。
博多方の端は店もなくなり、運行関係の施設が置かれはじめる。
ホーム縁だけかさ上げした光景が続く。
3番線ホーム博多方端にある折尾運転本部の建物。今も使われているのだろうか。
この3番線ホームの裏手にはこんな通路が隠れている。つまりさっきの格子窓や店や待合室の裏。
通路を反対側から見て。右手、待合室裏。
物置になっているらしく、よく見ると後ろ向けに自動販売機が並べられていた。
通路の出入口から見た階段前の風景。
少し離れて見た通路出入口。隣は2番線ホームへの下り階段。
こんなふうに階段前は段差が複雑に処理されている。
この柵は何の意味だろう。
上って来た階段を下りて。
階段前の様子。
4・5番線へと向かうレンガ通路。
海の壁画が描かれていた。
4・5番線ホーム - 鹿児島本線上りのりば
4・5番線ホーム階段前。発車案内には門司港行きなどが案内されている。
自由席特急券券売機があるから、気軽に乗られるようだ。
さっきのレンガ地下道を今度こそとくぐると階段になり、上るとさきほど3番線から見えていた向かいのホームとなった。こっちはこの駅のホームの中で最もさっぱりした、今様のもので、急にほっとした。島式で乗り場が4,5と二つある。やはり慣れている駅風景は落ち着くのだと思うと、さきほどの風物がよほど特異なものだったらしい。
このホームからは折尾の都市がよく見えた。どれも中小のビルばかりだが、密集していて、やはり古くからの都市だった。端には国鉄の駅名標がそのまま置いてあって、九州だった。線路越しにはさっきのあの3番線が見て取れる。やっぱり木壁と格子ガラスのあるのが、ほかの高架駅とは違っている。
ホームの中ほどで、丈夫な三脚の上にテレビで使うようなビデオカメラを乗せて入線列車を撮影している初老前の人がいた。一列車取り終わると、よおし、と称呼する。工事のためか近くに監視係りのような人がいたが、この駅ではうまいことことが運んでいるようだった。そんな中、首から載せ台を下げたとりめし売りの人が、大声を響かせる。いったいいつからのものなんだ、と瞠目する。とにかくかように様々な人に愛されている駅のようでございました。
ホームから見た街の風景。色褪せているが、ここのコンクリートの塀にも壁画が描かれている。線路内だから学生が群がって描いたのではない感じ。
5番線の風景。特急号車案内にはソニック、にちりんなどが案内されている。
ソニックは大分、佐伯に向かう特急で、にちりんシーガイアは宮崎に向かう。
上って来た西口階段下り口の様子。発車案内に鷹見口の列車まで出ていて驚かされる。
博多方に伸びるホーム。風除けつきの待合がある。
椅子単体でも置いてあるが、なんか変だな…椅子の場所。
隣のホームの様子。純木造の建物が残っている。
もう一つの建物。以前は詰所だったのだろう。
今はジェイアール九州メンテナンス株式会社が使っている。
国鉄時代からの駅名標。「じんのはる」は新しくできた駅で、
「くろさき」を上書きしたのだろう。
街の風景。高層マンションが幾棟か見える。
街の風景その2. 駅周辺は民家が多い模様。
ホーム端にて。保線関係の車両があり、敷地に余裕があった。
盛り土が周りの高さと等しくなったあたり。
隣りのホームでは小山が近いため民家とホームが同じ位置にある。
もっと端の方には運行関係の施設が見られた。
乗り換え案内。鷹見口6・7番線は書かれていない。
上屋の始まり。ホームの端の方では鉄骨だ。
鹿児島本線の構内を俯瞰して。
古い駅名標と街。
上屋下の風景。
上り列車を待つ人で賑わうホーム。
また変わった位置に広告塔があった。
隣、3番線ホームの風景。
窓から見える風景のせいで、高架の趣が強かった。
ホームの基礎下部にはレンガ積みが残る。
待合付近にて。
新しいかさ上げ敷石に木の格子窓という新旧混在だった。
自動販売機がずらりと並ぶ3番線ホーム階段付近。
5番線小倉寄りから見た街の風景。
ホーム小倉方端にて。通路が伸び、東口階段下り口へと続いている。
下りると本式の駅舎に。
向かいのホームのあの階段下り口も同じ所へ向かう。
東口階段前通路にて。
下をくぐりぬける筑豊本線。
隣のホームと同様、このホームでも階段が離れて二つあり、跨線橋の役割を果たしている。もう一つのは階下本式駅舎前のホームに行きつけるようになっているはずである。だいたいみんなこの辺で分からなる。私もこのとき、戸惑ったけど、とにかくいちばん端にある、このホームに来たときに使わなかった方の階段を下りた。東口階段と書いてある。下りるとまた別の長い地下道だった。アーチ天井が器用にレンガで造ってある。
もう駅舎前に出るというころ、途中横にあるドアが開いていて、外につながっていて、驚きあきれた。これでは改札の意味がない…。けれど出たところは交番の真ん前というオチ。しかししばらくのち、この扉は閉められた。
東口階段へ。
ここもレンガ積みだった。鷹見口は6・7番線とあるが、ここでは7番線しか案内されない。
だってここ4・5番線は鹿児島本線上りホーム、6番線は上り鹿児島本線に合流するのだから乗り換えはない。この駅全体でもいえることで、この駅のほかのホームでも6番線は案内されず、4・5番線を使うことになる。こちらのほうが本数も多い。
通路にて。緑の掲示板が長くて異様。
振り返って。ちょっと殺風景。やはり壁画があった方がよいか。
通路を抜ける手前にて。
こんな中途半端なところに立派な神楽の置き物。
通路の賑やかしになっているかも。
折尾神楽のショーケースの隣がエレベーター。
ただし3番のりば行き。4・5番線のりばへのエレベーターはない。
ちょっとややこしい。
折れ曲がった通路を振り返って。
すぐ近くに外へ直接出られる扉が開いていた。
左手、交番ね。
通路も終わりかけて隣のホームの風景が見えかけていた。
1番線ホーム - 筑豊本線上りのりば
1番線ホームの風景。
向かいの2番線ホームを見通して。
ようやっと階下本式駅舎前の1番線ホームに出る。このような人の移動のあるところに、現代では店舗が配置されたりするのだろうか。
駅舎前の1番線は、たいては広くて貫禄があって、というものだが、ここは狭く小さい。まるで裏口と機能を分け合ったがため、ともいいたげか。でも実際は、発祥の鉄道会社による設計だからだろう。改札前の床面は、路面標識に使う塗料でのりば案内を大書きし、これはもはや、やけくその域だった。通路の入口がはっきりしていなかったり、複雑な構造から尋ねる人が後を絶たなかったのだと思われる…。それでこの日も、と思ったが、迷ったり、尋ねている人は不思議と見かけない。土曜日の春のいい天気で、よそから人の来る可能性はあったのに。代わりに、子連れの母が改札で近距離切符を見せ、途中下車したい、と申し出ていた。むろん、「今回はいいですが本当は100キロ以上の乗車券でしか無理です、今回はいいですよ」と云われていた。なぜか今回は…、と許してくれることはわりとある。いちおうその人もその予定でやって来たから、という配慮があるのかもしれないけど、その人は、あ、そうなんですか、と再びホームに押し戻った。予定はどうもないのか…。
ところで。この駅舎を出て別のところにさらに乗り場があるので、そこで乗り継ぐと云えば、途中出場として改札を出られる。折尾が経路上にあるとそうならさるをえないこともあるので別にいいのだが、得といえば、途中でこうしてひと駅降りられるぐらいのものかな。でも近郊区間内の選択乗車だとさてどうなるのだろう…?
2番線ホームにあった庭らしきものの緑が影の中で輝いていた。
すっかり人が引けた西出口改札。
2番線のりば中央部。
カーブする折尾駅筑豊本線構内。
2階の鹿児島本線との接続部分。足回りにまたもや壁画が描かれている。
折尾駅は壁画が好きなんだな。
鹿児島本線の土台。煤けたレンガ積みだ。
列車停車中の構内。手前、若松行きの気動車。奥は篠栗線経由博多行き。
直方や飯塚、篠栗を経由する。
東口改札の風景。
窓ガラスに7番のりば、と目立つように出ている。
この1番線は若松行きのみ停車。非電化のためここには電車が停車しえない。
さっき通ってきた通路が左手。階段は地平、隣の2番線ホームへ行くのにも使われる。
また先ほども言ったように、さっきの通路を経て、4・5番線ホーム経由でも到達できる。
6・7番のりばの内照式案内図。折尾駅らしいもの。
こちらトイレ前。じょうろやらホースが並んでいる。
水場が手洗い場として使われている。
本式改札をくぐらずホームを歩いてみたが、ホームに洗面台があるのはともかく、理髪店があって、一瞬、首を回してあたりを見回す。JR職員福祉理髪所と表書きされている。それがまた非常に狭い木造の間口で、隠れるようにしてある。
もう、折尾駅が歴史古いのは、よくわかった。だけどこんなものが今だあるとは、あの盆下げたとりめし売りのように、意図して伝統をつないでいるものによるのかと思えたほどだった。職員の仮眠施設には、こういう施設は確かにあるのだという。
上屋端付近の風景。この辺は寂しいが、理容の文字が。
これが理髪店だという。
営業時間は8時から17時、月曜休業。折尾駅構内JR職員福祉理髪所。
1番線のりばを若松方に見た風景。自動販売機が点々とある。
この風景を見ると若松が思い浮かぶ。
2番線のりばと高架の3番線のりば。立体交差のゆえんなり。
ここから見た2番線のりば内部の様子。
東口改札。
折尾駅舎と駅前
とにかくこの駅はすごいな、と嘆息しつつ、改札に近づいた。中には男性の女性の二人がいて、それぞれ、どうぞ、ありがとうございました、と二重唱にいって私を解放した。
待望の駅の中だったが、現代風に白っぽく化粧直ししていて、かつての色は丸い木柱だけだった。また、とりそば屋ととりめしの売る店があり、この辺のゆるぎない定番なのは間違いなかった。ここも人が多く、折尾って大きな街なんだなとしみじみする。
改札を出て。右手の若松競艇場のLED宣伝板が派手。
駅舎内の様子。
その2. かしわめしを売る店とKioskが入店。こっちのKioskは黄色ではなかった。
店と店との間を奥に進むとコインロッカー。
店に挟まれたところにて出札エリアを望む。
この駅舎内で椅子と言えばこの形態のものだけ。
みどりの窓口。国鉄時代からの自動きっぷうりばの案内板もあった。
駅を出て。
ロータリー出入口方向。
茶系統で整えられた建物が立ち並ぶ。
そして九州に来て初めて、都市らしい都市に、私は抛り出される。春のまぶしさに、圧倒的な活気。地元から何百キロも離れたところに、こんな異なる文化圏があり、これほどの都市が連続していることに、急に幸福を感じ、感激していた。
駅前は中くらいのビルに取り囲まれるかのようだった。たいていは駅を出ての方向に広い道がとりついているはずだから、よく考えると大駅にしてはちょっと変わっている。駅前の一部からはお濠が伸び、飲み屋が連なる。北九州の苦労を率直に表現してくれている。そのあたりで駅の建物を写している老爺。やはりそんなふうに撮りたくなる建築。二階建ての洋館で、一代目のものをこうして今も使っているのだった。ただ色が薄桃に塗られていて、これは慣れ親しまれていることで認められているのかもしれない。けれど直方のように澄ました白色よりは却って明るかった。白色って、写真だけのことでもなくて、なぜか暗いところがある。
駅舎前の様子。
本屋が入っている駅前の一角。
駅を出て右手にはずらりと飲み屋が並ぶ。
川を背にして。
タクシーの駐車場が駅舎に近いという古き良きらしき一景があった。
斜めから見た駅舎。
駐車と折尾駅。
折尾駅駅舎。線対称でないところがよい!
駅前と駅舎。
駅舎に斜めに差し込むような駅前の歩道が、折尾駅内部の複雑さをここでも表しているかのようだった。
駅前にある6・7番のりばの案内板。鷹見口のこと。
駅舎その2.
駅前広場中ほどから見たロータリーの様子。付近には飲食店もある。
通って来た歩道を振り返って。ビル連絡通路が都会らしさを醸し出す。
ビルの間にて。すぐ裏は住宅地が始まるのだろうか。
ビルの中に作られた公共連絡通路。この部分の土地は公道らしい。
黒スプレーなどでの落書きなどが見られた。
駅舎遠景。
駅前オリオンビル1階の様子。
ロータリー外郭歩道の風景。
市営バス停前。
後ろ、さっき通って来たロータリー隅方向の風景。
生垣越しの折尾駅。
晴れた日中はようやく暖かい季節になったが、木々は箒のまま。
夏季には駅も見えにくくなるのだろう。
鷹見口駅舎を探すのに迷う
駅前ビルの階下にはブティックなどが入っているが、ビルそのものがもう古いものだった。そうして駅前の外郭をなぞるように歩いて、もう一つの駅を探す。交差している筑豊本線と鹿児島本線を滑らかに結ぶ短絡線があり、その途中に乗り場が設けられているのだった。鷹見口といって、この駅では有名なものとなっている。そのため、ロータリーの中央だというのに6,7番乗り場、と方向板が出ていたりして、たしかに折尾に来た、と頷いた。
結構遠いのだろうと思って歩きはじめ、鹿児島本線をくぐる通路を越す。これで駅前からは出てしまったことになるのに、この時点で間違っているとは、まだ気づかず、春が来たな、などと意気揚々揚々と歩いていた。その通路にまで市は立っていて、唐辛子などが売られているのに、感心した。むかしふうの賑やかさが隅々まで行き渡っていた。
そこを出ても、歩行者だけの道の片側に、商店が連なっている。なかなかの街だったが、あたりにはもう駅のある気配は全くない。片側はひどく工事中で更地や盛り土が見える。そしてはたと気付く。迷ったと。防寒着の中で冷汗。店の人に「もう一つの折尾駅、あの、もう一つの折尾駅って、どこですか」とよほど訊こうと思ったが、がまんした。鷹見口という名前も、このときは、忘れていた。だからそんな問い方したら、笑い飛ばされるのは間違いない。それにここが駅とはお門違いのところだというのも、周りの風景から肌で感じていた。
(こんなところと違いますよ。鷹見口やて、こんな、こんなところで訊く人初めてやわちょっと)
ひたすら戻る。何百キロも先にあった都市は、やはり他人の街であった。すべてが急によその街の人の顔になる。こうしている間にも時間が過ぎていく。唐辛子を売っていたコンクリートの通路を越して、ふっと左の細路地をのぞくと、あった。その駅前は壁を立てての工事中のため、まったく視界に入らなかった。ちなみに、さっきから工事という工事は、むろん折尾駅改築の一連の工事となっている。しかしこの場所、ロータリーを挟んで本式の駅と真向かいにあり、想像したよりかなり近かく、なーんだ、と思った。
鷹見口は実にひっそりとしていて、人影もほとんどない。売店も何もなく、冷たいタイルの床があるだけだった。係員はいるけど改札には目もくれず、しかも自動改札が閉じない仕様のもので、驚かされる。筑豊本線は、改札はゆるめであるが、そこがまたよい。
2つの乗り場はカーブし、日当たりが良かった。あんな日陰の建物の駅で、利用する人はいるのだろうかと思ったが、こうして中に入ると、日射しの中、人がしゃがんだり立ったりして、列車を待っているのだった。しかし案の定、黒崎・小倉のりばには誰もいない。その方面に行くなら、本式の駅舎の方が本数が多いのだ。もっぱら筑豊から来た人の降車ホームなのかもしれない。
ここの駅名標のイラストは船だった。あちらの駅舎に模型のあった、五平大船なのだろう。駅は離れているが、二つで一つなのであった。
あるビルの入口の様子。歩道に緩いズボンをいくつも提げて出していて、
気取らない店が入っているビルらしい。
このビルの脇を入っていくと、鷹見口駅舎だが、その脇にあった、おりお小路。
何かと飲み屋を見かける。
鷹見口駅舎。この駅前が工事中のため、こんな風にしか見えない。
折尾信号通信区の表札も掲げられている。脇の階段を行くのだろうか。
駅舎内の風景。
別のところにも椅子が置かれていたが、こちらのはかなり窮屈そう。
脇の間口はトイレ。
出札口。指定席が取れるみどりの窓口ではない模様。
横の自動券売機もほかでは見かけたことがないものだ。
駅舎を抜けて始まる通路。
踏切前。直進が6番のりば、黒崎・小倉方面。
右手が7番のりば、直方・飯塚方面。
だいぶ簡素なつくりになっている。
6番線ホーム。
向こうのホームに待合はあったがこちらにはなかった。
鹿児島本線を列車が通過している。
駅名標。
6番線ホームにて直方・飯塚方を望む。筑豊本線に吸収される。
7番線ホーム踏切付近にて。
たぶん最近一新したのだろう。ホームから屋根から架線柱までぴかぴか。
構内踏切と鷹見口駅舎。
踏切にて直方方を望む。
駅構内の風景。
駅舎へ向かう通路。
自動改札は扉の閉じない簡易型。乗り換えには有人通路を無言にて通過する。
構内から改札口を。
本式の折尾駅の案内図が出ている。駅舎出入口からは外の様子がうかがえたはずだが、工事中のため何も見えない。
駅を出て。
鷹見口駅前への入口からみた、本式の折尾駅。
位置関係はこんな感じ。
この通路を抜けると、折尾駅前から抜けることになる。
盛土上は鹿児島本線が走っているというわけ。
通路内の風景。
通路を出て振り返って。折尾駅東口こ道、という名前がつけられていた。
折尾駅入口の交差点の海側。交通量は多い。そしてあたりはぜんたいに未整備でいびつな感じ。
その2.小倉方。
脇道に入って。ここから迷った。
駅の方を見て。こんな風に商店が並んでいた。
とある店内にて。
迷ったのを脱し、東口こ道まで戻る。
暴力団排除の標語が、そこはかとなく雰囲気を支配している。
跨道橋にあがって。隣が鹿児島本線。
上り鹿児島本線と短絡線の間の様子。大工事中。
鷹見口駅舎の俯瞰も阻まれていた。
鷹見口駅舎前の様子。
オリオンプラザのビル。オリオンて、やっぱり折尾から来ているのだろうか。
駅前全景。賑わいを感じる。
跨道橋から見た駅舎遠景。
右手の三角錐はボーリング施設の広告塔。
さきほどの川縁の飲み屋街が見える。
エレベーター。さっそく落書きが。
鹿児島本線と街の風景。
店舗が目立たず入っていて、まるで外観を考慮に入れているかのようだ。
折尾駅前交番。
駅から出ての風景。
東口跨道方。
鷹見口の乗り場からここを立ち去るのならおもしろい。しかし、予定上、本式の駅に戻った。折尾は活気が細かなところまで入りこんでおり、それが古くから充満しているもののようで、安定していた。九州に来て初めてやって来た都市として、うれしい気分が横溢した。駅は、ぜんたいに、もはや精一杯。改修を重ねすぎていた。
しかし、この構造の複雑さが反って人の動きを活発にし、賑やかさを奥まで誘い込むようでもあった。でも折尾なら、機能的な駅になったらなったで、さらに発展するのだろう。
駅舎の中は来たときよりもさらに混雑していた。階段を使って、鹿児島本線の高架へ。肉声響く中、つぎつぎに滑り込むしろがねの新しい車両。これ乗って、次の次の主要駅、福間駅とその街を覗きにいく。
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