別所駅

(三木鉄道・べっしょ) 2007年5月

厄神・加古川方面。左横の敷地が気になるところ。

  地の人の慣れ合いの、ただれた車内を抜け出し、たまたま駅舎のある駅に降りた。石野から乗ったから、また似たような駅だった。待合の窮屈さも同じで、表札がお似合いの板小屋の駅舎も、もはや特にどうということもなかった。
  とにかく駅前が猫の額というより、雀の額ほどしかなく、しかも人の家の裏庭に駅がある格好で、思わず、もうこれは駅じゃないな。駅舎があるだけに、余計にそうだった。旧国鉄だということなら、それにさらに輪がかかったが、末端線ということを足して逆にそれで首肯する人もいそうだった。
  砂の敷地を出ると県道だが、横にパン屋があり、少し感嘆する。これを以って駅前風景とした。

 

植栽も放っておくとあんななる。

駅員が去ってどれくらい経つだろうか。

 

大正5年8月ということだそうだ。

外から見た駅舎内の様子。

別所駅駅舎その1. 駅名表示がなかった…。

その2. 民家の裏庭と言わずしてなんと言う…。

駅舎前の敷地はパークアンドランド用だから三木鉄道を利用しない人は使用しないようにとのことだった。パークアンドライドがあるかはともかく、駐車して私有化する人がいるのだと思った。

加古川方面。まあ! きれいな道路。

三木市街方面。遠くに見えているガード下を越えたところまでこれから行く。

  県道がびしっと整備されていて、歩いていると、よくこんないい道が通っていて短い鉄道が残ってきたなと改めて感心された。残ってきた方が不思議か。もっとも、この道のこんな整備は、最近のことだというのはわかっていた。この状況での両者の同居は短いながらも、道のこの効用がとても峻烈らしい感じだったので、長期間の同居と置き換えても影響の算定に差障りなさそうなほどだと思われたゆえだった。
  途中、大型スーパー「マックスバリュー」を出迎え、いま三木市街に向かっているのが実感された。ときに、三木鉄道はお買いもの切符として別所までのお得な乗車券を販売していたそうだ。そんな悠長な時代もまもなく終わりを告げ、現実的な代替バスになることになっている。やがて、しだいに金物屋の街くさくなってきて、どきりとした。これが鋳物の三木市か。工場や、スパナの商標名の広告、そして、がらがら言う音が聞こえてきている。
  遠くに見えていた三木小野バイパスの高架をもうくぐっていた。ここまで来るともう高木駅もすぐだ。別所駅から12分だった。

途中のマックスバリュ別所店。年中無休、24時間営業。兵庫県内はマックスバリュが非常に多い。そのうちの一つ。

三木小野バイパスのガード下前にて。

高木の集落への案内板が出ていた。ここをそのとおりに左折すると高木駅。

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