EUC-JP to UTF-8 吉野口駅

吉野口駅

(和歌山線・よしのぐち)

  雪を薄く被った北宇智駅を訳あって早々に離れ、隣の吉野口駅に向った。 北宇智まで出てやっと山を抜けたばかりなのに、 早くも山中に舞い戻ったようである。 扉がすべて開く気楽さから、何気なしに列車から出ると、 とたんに寒気に襲われた。両側が高い里山に挟まれていて、谷底の地形であった。 近鉄吉野線の乗り入れる駅だが、駅構内には派手な広告や案内板が見当たらず、 駅の両側は山々に挟まれているため、寒々とした乗換駅といった風情だった。 しかしホームを北宇智側へ歩くと、住宅や線路を跨ぐ高架道が見え、 吉野口駅のある町を垣間見ることができる。

幾つもの白塗りの梁でできた上屋内部と地下道への入口。 4・5番線地下道下り口前。


向かいのホーム、そしてさらに向こうのホームを見通して。 2・3番線ホーム、そして1番線ホームが見通せる。 乗換駅らしい雰囲気だ。

上屋下に作られた薄茶色の壁の待合室。扉はサッシの引き戸。 4・5番線ホームの待合室前。

  まだ2月の初めで、寒さは厳しく、 ふと近くにあった待合室内に入ってみたが、 床はホームと同じアスファルトで、入口の引き戸もしっかり閉まっていなかったから、 中はすっかり冷え切っていて、ここは落ち着いて腰を据えられなさそうなところだった。

両側にはサッシの窓が隙間なく取り付けられ、その下に白塗りの長い木製の椅子がすえつけられている。 待合室内。床はアスファルトのままで、簡素だった。 両側には据付の木製の椅子が伸びる。

ホームとそのホームの土のある緑地帯。 待合室を出て。掖上・王寺方面を望む。

土のある緑地部に埋め込まれた十字のブロック。 すぐ傍に、十字のブロックに3つ穴のあいたものが埋められていた。 何に使われたのだろうか。

上屋の終わりの妻面。 振り返って上屋を見て。

上屋下から吊られた電照式駅名標。 上屋の下の駅名標。

短い丘陵部を経たのち里山が始まる風景。 5番線から見上げた風景。

地下道への階段を半ばぐらいまで降りたところで見える正面の案内板。 地下道への下り口。のりば案内では「五條・和歌山方面 3」と案内されている。 五条駅ではなく五條市を案内しているようだ。 また案内によると近鉄線の連絡きっぷは出札窓口で発売しているという。

壁がツートンカラーの地下道内。 地下道内のようす。鼠色と白色のカラーはまるで学校のようだ。

  地下道はかなり地味なものだった。 このような乗換駅の地下道の壁にはポスターなどの貼られることが多いが、 ここの地下道にはそういうものが一切なく、鼠色と白色のツートンカラーの壁のままだった。 また、のりば案内は電照式ではなく、壁に取り付けるごく簡単なプレートが使われ、 線番号案内の数字は壁に直接、黒字で書かれていた。 この駅は地下道だけでなくホームにも広告がほとんどなく、国鉄時代風だ。

壁の白い部分に黒地で数字が書かれている。 線番号の数字が壁に書かれた地下道内。

待合室前と上屋下から吊られた電照式駅名標。 2・3番線ホーム、待合室前。

  列車を待つ人は決まって待合室に入っていった。 そのため、列車の来ない時間のホームはがらんとする一方、 待合室は満員というふうである。 冬装備をした人たちがときおり待合室へ行き交う静かなホームだった。
  この2・3番線ホームの待合室の中はとてもよく暖房が効いていて、 菓子や柿の葉寿司弁当を売る小さな売店もあり、とても充実していた。 なお待合室の中に入らなくても買い物ができるよう、 外との小さな窓口が設けられていて、そこで駅弁を求めることもできる。
  列車が来ると、2・3番線ホームはほかのホームと違って少し賑やかになる。 2番線は橿原神宮前・大阪阿部野橋方面(近鉄)で、 3番線は和歌山・五條方面(JR)であり、近鉄とJRは接続の取られることが多いためだ。 暖かい待合室で待っていた人が出てきて列車に乗り込んだり、 ここまで乗ってきた人が別の線に乗り換えたりで、ホームはひととき賑わいを見せる。

待合室への出入り口前。吊り下げられた電照式駅名標の下には一人掛けの椅子が何客か設置されている。 待合室を抜けて。

向かいのホームの上屋の終わり付近。 2番線から、1番線と駅舎への入り口を見て。

薄茶色の壁を持つ待合室。 3番線から見える、4・5番線ホームの待合室。

左手にホーム、中央に二線、そして立っているホーの縁。 1番線ホーム。吉野方面のみ発着する。

上屋下に作られた待合室。 1番線から見た、2・3番線ホームの待合室。 「柿の葉寿司・鮎寿司」の青緑の看板が売店の目印だ。

地下道への下り口を反対側から見て。 1番線ホーム、薬水・吉野方向を見て。 パンフレットの棚がまわりから浮いて見える。

上屋の柱には「吉野方面」と書かれたホーローの板が取り付けられている。 1番線ホーム、大阪阿部野橋方向を見て。

上屋の終わったところからホームを見通して。 改札口付近から振り返って、薬水・吉野方面を見て。

駅舎の入口へ降りる小さな階段。 駅舎入口、改札口。

焦げ茶の壁の駅舎の一部とホームとホームに立つ駅名標。 1番線ホーム端から見た駅舎。

ホーム上のコンクリートの詰所と背景の荒々しい採石場。 ホーム端から左手に見える採石場と詰所。

遠くに山。トラス架線柱の跨ぐ線路が伸びる。 橿原神宮・大阪阿部野橋(掖上・高田・王寺)方面を望む。

側面にサッシの窓がついた上屋下の待合室。窓の上には落ち着いた広告看板が取り付けられている。 1番線ホームから見た2・3番線ホームの待合室。

右手にホームへ上る階段、左手に有人改札口。 ホームから改札口への階段を降りて。

左手に出札口、正面に改札口。 出札・改札口。

奥行きのある長方形の待合室内。 待合室内。

白色の天井、薄茶色の壁、黄緑の壁。 端から出札口を望む。

  黄緑色の二面の壁が印象的な駅舎の待合室の中は、 木製の椅子が両側に据え付けられ、 座るところには硬く編んだ古い敷物がしかれていた。 地面はくすんだ紅色で、全体的にかなり古めかしい印象だ。 床の紅色は、塗りたての頃は高級感の演出になっていたのだろうか。 ふと、建てられたばかりの頃の駅舎のことが思われる。 室内はすっかり冷え込んでいるため、 列車を待つ人は2・3番線ホームの暖房の効いた待合室で待っているのだろう。 どおりで結構な人入りであったわけだった。

広いアスファルトの敷地の向こうに民家。 駅舎から出て。

民家と駅前のアスファルトの敷地。

駅舎と駐車場。 駅舎のすぐ前は、道路に向って傾斜のついた駐車場に利用されている。

瓦葺、焦げ茶の壁の横長の駅舎。 吉野口駅駅舎。

駅舎前には背の高い常緑樹が植えられる。 駅前には葛(くず)タクシーが乗り付ける。 さきほど小型自動車が停まっていた。

木製の三角屋根のついた駅舎入口。 駅舎入口。コンソールがつけられている。

駅舎入口を斜めに見て。   駅前でぶらぶらしていると駅舎から唯一の駅員が出てきて、 駅のすぐ前にある鮮魚店へと入っていった。 どうやらよく利用しているらしく、顔なじみらしい会話がなされているようだった。

広いアスファルトの敷地の向こうに古い商店が一件。 駅舎前の植え込み付近から見た駅前のようす。 商店があるとやはりうれしい。

発泡スチロールやプラスチックの業務用ケースの積まれた店の前。 鮮魚・仕出し・綜合食料品の富魚商店。 カップめん、コーヒー、鮮魚、つけものなどを置いていて、 さまざまな匂いが溶け合っていた。

縦長の小さな自動販売機。 商店のある道路への入口脇にあった自販機。 オロナミンCとポカリスェットのみ売っている。

1.5車線ほどの道路。両脇に民家。遠く突き当たりは山肌でT字路になっている。 商店のある通り。

駅前の敷地を縦に見て。左手に民家の並び。 駅前のようす。右手に駅舎。

砂利の広場。中央に背の高い木が一本植えられている。 上の写真の後ろの風景。砂利ひいた広場の向こうにもまた駐車場がある。

  駅から出て左の道を歩いてみることにした。 右折を二回繰り返して、駅の正面に延びる道に入れば一回りすることになる。 道は畦道を広くして舗装したようなゆるい曲線の道で、 脇には一般的な住宅や田んぼが現れる。 途中、生徒の声が時折飛び交う学校の裏を通った。どうも中学校らしい。 自動車一台分ぐらいの道路。左手に薄茶色の切り株だけになった田んぼ。左手に民家。

道路の縁から水面までが浅い川。 右折して出た道を進んで振り返って。右手は曽我川。

中学校の校門前。 さきほどの学校の正面に出てきた。御所市立葛中学校。

少し洒落た感じの白い建物。 さらに歩いて振り返って。御所吉野口郵便局。

左手に川、右手に道路。 進む道の風景。対岸には木材関係の工場のようなものがあり、 作業の音が響いていた。

  歩いていくとT字路に出て、ふと右を見ると吉野口駅駅舎が見えた。 その道を進めば戻ることができるが、 ふと左を見ると山の斜面を削ってできた道があったので気になって見に行った。

駅への道路。右手に民家の立派な植え込み。 少し遠くに吉野口駅駅舎の一部分が見える。

道路の側面は山肌を削ってコンクリートで固められている。 旧国道309号線。

  この道の雰囲気と、駅構内の駅舎と反対側の山の斜面に 新しそうな道路が通っていたことからして、 いかにも旧道のように思われたので、 後で調べてみると、国道309号線の旧道だということだった。 あの新しい道は2000年3月にできた戸毛(とうげ)バイパスだという。 今は静かなこの旧道も、かつてはかなりの交通量だったのだろう。

灰色の民家風の建物と白い建物。 振り返って。正面の建物は吉野口駅で売られている柿の葉寿司を作る会社「柳屋」。

落葉した木々に覆われた高い丘。 旧道付近から見えた気持ち良さそうな丘。

  旧道から立ち去って、駅前へ戻った。ふと左に人が集まっているので思わず見てみると、 おじさんたち3人がミニ三脚を使って駅舎を撮影し終わったところのようだった。 吉野口駅の駅舎は、そう多くはない堂々とした木造の駅舎なので、 近畿圏にいて駅舎に興味のある人なら一度は見に行きたくなる駅舎だろうと思う。
  改札を抜けて地下道を通り、2・3番線ホームの暖かい待合室に入った。 中はとにかく暖かくて、寒さで硬くなった筋肉がほぐれて体が蘇るような心地になった。 これでは知らないうちに長居してしまいそうだと思い、 列車が着く数分前に、冷たいホームへと出た。 2番線には近鉄の列車がすでに停車している。 さきほどの3人のおじさんたちが向かいの4・5番線ホームに、 私とはす向かいに立っているのが見えたが、 そのうちの一人がふと思い違いに気づいたような感じで、 「五条行きはこのホームですか」と近くの人に尋ねた。 尋ねられた人がこちら側のホームを指差しながら何か言うと、 そのおじさんは適当に礼を言ってその場をさっと切り上げ、 3人一緒に、そそくさとこちらのホームへと移動し始めた。どうも私と同じ方向だったらしい。 この日は日曜日で、北宇智のスイッチバック廃止の1か月半ぐらい前だったから、 その人たちはやはり北宇智で降りるのかな、と思ったが、 予想は外れて、五条で降りていった。

  3番線にがたがた揺れる105系の和歌山行きが入線した。 ホームには割と多くの人がいたが、乗り込んだのは一部の人たちだけだった。 再び北宇智駅に着くと、ホームではたくさんの人が、 手に持ったコンパクトカメラで思い思いに撮影をしていた。 スイッチバックを経てやっと北宇智を出るとすぐに下り坂だ。 いつの間にか五条駅の幅広い構内に入り、五条駅に到着。 多くの人が下車していった。 五条駅は自動改札のない昔ながらの有人駅。 車内から改札口を覗くと駅舎内に売店のあるのも見えたので、 一度降りてみたいな、と思うようになった。
  五条駅に停車していると、車掌が一人乗り込んできて。 1両目の車内に睨みを利かせた後、運転台右側へと入り込んだ。 車内改札を始めるのだろうか。 この先の五条から粉河までの区間は少しだけ列車本数が減り、 いよいよ和歌山線らしい風景と駅舎が次々と現れることになる。

次に訪れた駅: 大和二見駅

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