春江駅

(北陸本線・はるえ) 2008年8月

金沢方。

419系停車中の上り線。これは改造寝台だが…

  未だ急行型走ってくれるいかにも長大な旅行暗示しそうなきらめく北陸の盛夏の中、福井都市近郊の季節はずれな名を持つ駅に、逃げるようにまずは降り立った。朝の最後の客がちょうど引けたばかりの福井発金沢行きの列車は、地元北陸の遠出客を、はたまたよそからの列車旅の客の日本海の想像を乗せて、私をここに落とし、春江駅を去っていった。

  私のいう福井の平野らしい平野は、ここ福井平野くらいだが、この駅はそのただ中だ。近郊だから、駅の周囲には田舎造りの家なのにそんなのが密集しているところもあれば、新築の家が密集しているところもあった。駅のないところは、水田がひたすら広がっている。米というより、日本酒が思い浮かんでしまうのは、どこか旅情に侵された身であった。 裏手も民家の甍が真っ平らに続くが、その向こうの永平寺のさして高くはない山々の青さが不思議と印象深かった。そしてそれは豪雪を想起させた。

  ホームは二線の間に一つ広いのを置いて上下線客を捌いているが、利用客は少なくないようで、ホームに立派な待合室も作ってあるし、駅も大振りな木造なのが、ここからもわかった。

 

この辺になるとホームの中央部分は舗装されていない。

 

片流れの待合室。

いい長椅子が十分に置いてある。

駅裏の風景。

福井方に見たホーム。

もう一線あったようだ。

下り方に見たホームの様子。だいたいこのあたりでみんな待つ。

 

 

 

駅裏一景。永平寺の山々が見える。

トワイライトエクスプレス大阪行きが通過。次の停車駅は福井。 敦賀で機関車付け替えだ。

駅舎と階段下り口の屋根の取り合わせ。

これこそが北陸本線。福井方。

ホーム端付近から見た駅裏の様子。このあたりから出入りできそうな感じだった。

ホームから見た駅舎。

昔はこの辺に構内踏切があったんだろう。

下り線側に詰所のようなものがあった。今は倉庫だろう。

近代的な風景。

跨線橋にて。

 

裏手の様子。屋根瓦が続くまっ平らな風景。

芦原方。

福井平野を囲う山々。

福井平野たるゆえんの広がり。右手には越前海岸の山地が窺われる。この辺で途切れて、海まで平野になる。

跨線橋から見た駅前側の様子。

 

 

永平寺の山々と民家。

駅舎回廊前にて。

かなりしっかりした造り。どこもこうというわけでもない。

駅庭。

  ホームは島式で駅舎はまったく接していないため、跨線橋を下りて間口、もとい改札口に向かうと、別宅へ這入り込むかのようだ。というのも、建物の端の方に洗濯機などが置いてあり生活感が漂っていたのだった。ちなみに庭もあつらえてある。中に這入ると電灯を消しているため暗いものの、思いがけずこれは広い。待合がこんなに広い駅舎もこの辺にはなさそうだ。しかしあくまで公的な雰囲気で、きっちりしている。ここはすべてが日陰で、涼やかだった。出札はぼんやり灯りがともるだけで、夜に爺さんが一人何か蠢いているかのようだが、生活感あったもののもう宿直駅ではなくて、朝来て、夜帰られるのだろう。

 

駅員が寝泊まりしていた時代は活躍しただろう。

回廊にて。

 

トイレは改札外だった。

荷物運搬通路から見た駅前。

駅舎内にて。古い建物だがかなりきれいだ。

 

出札口の文字がまだ残る。

 

出入口。

改札口。

 

駅前の様子。

 

駅を出て右手。駐輪所とマンションへの道路。

  道は広いけど縦置きの信号が私には珍しげにぽつねんと佇む住宅街と化した駅前は、降り立たなくとも車窓から想像できたようなもので、旅人のいるようなところではなかった。 元々は独立した町だったのだろうけど、今となっては郊外の一つらしい感じなのだった。 しかしここが福井空港の最寄駅だという。空港といっても知れているけれども。
  駅は看板が奥まって見えず、抽象的な駅が春江というまた中性的な名を持つ町の奥に名も告げず、某(なにがし)という趣きで経っている。春江駅というより、国鉄線の駅、汽車駅と、地の人に捉えられていそうな様相だった。

春江駅駅舎。牛ノ谷駅と同じタイプの車寄せになっていた。

その2.

駅正面の佇まい。

 

見ての通り、ドアが新調されている。恐らく中もけっこう改装をしているのだろう。

浮き彫りにした豪勢な看板。ふつうは毛筆書き。

たまたま見つけた。

 

 

 

駐輪所出口付近から見た駅舎の様子。

駅舎全景。

右手がトイレ。荷物運搬通路はこうして駐車場になっていることが多々ある。駅関係者のの車?

トイレが別棟でなく、一体化してきれいに収まっていた。

町歩きしに来た人のための案内板。やはり歴史の案内だった。

裏口への通路。

 

駅前の交差点。

とある通り。

駅前通りに出る信号。

交差点にて。

地下道で入口前にて。

こんなところに鉄道関係の施設、通信配線室があった。 ここまで構内だったのだろうか。

 

このタイプの屋根の下は想像通り気分悪くなるほど暑くなっていた。

 

裏手にて。土が盛ってあるだけの路盤。

裏通り。

とある通り。

 

駅裏から見た駅舎。裏にも駐輪所が設けられていた。

裏口出入口。

駅前へ。

  ここでは1時間くらいをみていたのだが、私の下車旅にはにべもないところのようなので時間が余りすぎて退屈した。夏の日差しは遠慮なく首元に降り注ぐ。福井のどこともつかない町に少々おじゃまし終わった私は、金津を過ぎ、牛ノ谷峠を越えて、大聖寺へ一気に歩を進める。

 

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