吉野口駅
雪を薄く被った北宇智駅を訳あって早々に離れ、隣の吉野口駅に向った。 北宇智まで出てやっと山を抜けたばかりなのに、 早くも山中に舞い戻ったようである。 扉がすべて開く気楽さから、何気なしに列車から出ると、 とたんに寒気に襲われた。両側が高い里山に挟まれていて、谷底の地形であった。 近鉄吉野線の乗り入れる駅だが、駅構内には派手な広告や案内板が見当たらず、 駅の両側は山々に挟まれているため、寒々とした乗換駅といった風情だった。 しかしホームを北宇智側へ歩くと、住宅や線路を跨ぐ高架道が見え、 吉野口駅のある町を垣間見ることができる。
4・5番線地下道下り口前。
2・3番線ホーム、そして1番線ホームが見通せる。
乗換駅らしい雰囲気だ。
4・5番線ホームの待合室前。
待合室内。床はアスファルトのままで、簡素だった。
両側には据付の木製の椅子が伸びる。
待合室を出て。掖上・王寺方面を望む。
すぐ傍に、十字のブロックに3つ穴のあいたものが埋められていた。
何に使われたのだろうか。
振り返って上屋を見て。
上屋の下の駅名標。
5番線から見上げた風景。
地下道への下り口。のりば案内では「五條・和歌山方面 3」と案内されている。
五条駅ではなく五條市を案内しているようだ。
また案内によると近鉄線の連絡きっぷは出札窓口で発売しているという。
地下道内のようす。鼠色と白色のカラーはまるで学校のようだ。
線番号の数字が壁に書かれた地下道内。
2・3番線ホーム、待合室前。
この2・3番線ホームの待合室の中はとてもよく暖房が効いていて、 菓子や柿の葉寿司弁当を売る小さな売店もあり、とても充実していた。 なお待合室の中に入らなくても買い物ができるよう、 外との小さな窓口が設けられていて、そこで駅弁を求めることもできる。
列車が来ると、2・3番線ホームはほかのホームと違って少し賑やかになる。 2番線は橿原神宮前・大阪阿部野橋方面(近鉄)で、 3番線は和歌山・五條方面(JR)であり、近鉄とJRは接続の取られることが多いためだ。 暖かい待合室で待っていた人が出てきて列車に乗り込んだり、 ここまで乗ってきた人が別の線に乗り換えたりで、ホームはひととき賑わいを見せる。
待合室を抜けて。
2番線から、1番線と駅舎への入り口を見て。
3番線から見える、4・5番線ホームの待合室。
1番線ホーム。吉野方面のみ発着する。
1番線から見た、2・3番線ホームの待合室。
「柿の葉寿司・鮎寿司」の青緑の看板が売店の目印だ。
1番線ホーム、薬水・吉野方向を見て。
パンフレットの棚がまわりから浮いて見える。
1番線ホーム、大阪阿部野橋方向を見て。
改札口付近から振り返って、薬水・吉野方面を見て。
駅舎入口、改札口。
1番線ホーム端から見た駅舎。
ホーム端から左手に見える採石場と詰所。
橿原神宮・大阪阿部野橋(掖上・高田・王寺)方面を望む。
1番線ホームから見た2・3番線ホームの待合室。
ホームから改札口への階段を降りて。
出札・改札口。
待合室内。
端から出札口を望む。
駅舎から出て。
駅舎のすぐ前は、道路に向って傾斜のついた駐車場に利用されている。
吉野口駅駅舎。
駅前には葛(くず)タクシーが乗り付ける。
さきほど小型自動車が停まっていた。
駅舎入口。コンソールがつけられている。
駅舎前の植え込み付近から見た駅前のようす。
商店があるとやはりうれしい。
鮮魚・仕出し・綜合食料品の富魚商店。
カップめん、コーヒー、鮮魚、つけものなどを置いていて、
さまざまな匂いが溶け合っていた。
商店のある道路への入口脇にあった自販機。
オロナミンCとポカリスェットのみ売っている。
商店のある通り。
駅前のようす。右手に駅舎。
上の写真の後ろの風景。砂利ひいた広場の向こうにもまた駐車場がある。
右折して出た道を進んで振り返って。右手は曽我川。
さきほどの学校の正面に出てきた。御所市立葛中学校。
さらに歩いて振り返って。御所吉野口郵便局。
進む道の風景。対岸には木材関係の工場のようなものがあり、
作業の音が響いていた。
少し遠くに吉野口駅駅舎の一部分が見える。
旧国道309号線。
振り返って。正面の建物は吉野口駅で売られている柿の葉寿司を作る会社「柳屋」。
旧道付近から見えた気持ち良さそうな丘。
改札を抜けて地下道を通り、2・3番線ホームの暖かい待合室に入った。 中はとにかく暖かくて、寒さで硬くなった筋肉がほぐれて体が蘇るような心地になった。 これでは知らないうちに長居してしまいそうだと思い、 列車が着く数分前に、冷たいホームへと出た。 2番線には近鉄の列車がすでに停車している。 さきほどの3人のおじさんたちが向かいの4・5番線ホームに、 私とはす向かいに立っているのが見えたが、 そのうちの一人がふと思い違いに気づいたような感じで、 「五条行きはこのホームですか」と近くの人に尋ねた。 尋ねられた人がこちら側のホームを指差しながら何か言うと、 そのおじさんは適当に礼を言ってその場をさっと切り上げ、 3人一緒に、そそくさとこちらのホームへと移動し始めた。どうも私と同じ方向だったらしい。 この日は日曜日で、北宇智のスイッチバック廃止の1か月半ぐらい前だったから、 その人たちはやはり北宇智で降りるのかな、と思ったが、 予想は外れて、五条で降りていった。
3番線にがたがた揺れる105系の和歌山行きが入線した。
ホームには割と多くの人がいたが、乗り込んだのは一部の人たちだけだった。
再び北宇智駅に着くと、ホームではたくさんの人が、
手に持ったコンパクトカメラで思い思いに撮影をしていた。
スイッチバックを経てやっと北宇智を出るとすぐに下り坂だ。
いつの間にか五条駅の幅広い構内に入り、五条駅に到着。
多くの人が下車していった。
五条駅は自動改札のない昔ながらの有人駅。
車内から改札口を覗くと駅舎内に売店のあるのも見えたので、
一度降りてみたいな、と思うようになった。
五条駅に停車していると、車掌が一人乗り込んできて。
1両目の車内に睨みを利かせた後、運転台右側へと入り込んだ。
車内改札を始めるのだろうか。
この先の五条から粉河までの区間は少しだけ列車本数が減り、
いよいよ和歌山線らしい風景と駅舎が次々と現れることになる。
次に訪れた駅: 大和二見駅