EUC-JP to UTF-8 三木鉄道・三木駅

三木駅

(三木鉄道・みき) 2007年5月

エンドレール方。

  支線でも終着はたいていほかと比べてると荘重な駅となっている。この街以外の人がいてもおかしくない、外との繋がりをもっていることを、見せつけていた。これまで通過してきた駅とはまったく違う。だが瓦屋根がひときわ重そうだ。木の壁が窮々と耐えているという感じ。もうそういった役目を演じなくてもいいのだろう。
  単線だったのが急に広がった駅構内は、駅舎と違いひところに整備し直して案外すっきりしていたから、全体としては懐古趣味もほどほどだった。しかし木造屋根つき貨物ホームが残されていて、自転車が投げ込むように停めてある。別のところにもこんなホームがあって、自動車が駐めてあり、屋根つきガレージと化していた。貨物が主役だったと言われていたことに、深く頷いた。

 

 

 

この辺から島式ホームになる。

貨物ホームとともに。

三木駅構内。

よく車両基地で見かけるもの。

厄神・加古川方面。

 

あんなところにもう一両潜んでいる。

 

 

 

まるで昔から三木鉄道だったとでも言いたそうな看板だった。

 

改札口から見た駅舎内。

 

 

待合。実際くつろげるようになっていた。

エンドレール方に見た駅舎内の風景。 妙に私鉄くさい。

駅舎出入口。

 

 

通勤定期、厄神まで1か月10500円。 通学定期6750円。

「平成18年(2006年)7月30日で、本町からのマックスバリューお買物バスの運行がなくなります。三木鉄道では、別所マックスバリューへのお買い物にご利用いただく、お買い物乗車券を発売いたします。三木~別所(往復)300円(通常340円) ご利用開始は、平成18年7月31日以降。お求めは、三木駅窓口で「マックスバリュー買物券」と申し出てください」とのこと。実質三木別所の割引往復乗車券のようだ。

 

 

 

泣かせどころ?

 

 

残念ながら一部割れていた。

 

三木市コミュニティバス・みっきぃバス。 現在は三木鉄道の代替バスの役目も担っている。

三木鉄道駅駅舎。自動販売機が多く、駅の収入の一助になっているかなと思う。

 

駅舎全景。

この屋根は荷物関係のような感じがする。

元水場。

 

貨物ホームにて。

 

「JR加古川線300万人乗車大作戦」。

これは…。

 

駅庭の様子。

駅前の様子。左二つは消防関係の建物。右のは喫茶「妖精館」。

  ホームにも駅前にも花のプランターが幾つかあり、駅があってもなくてもいいというのではなく、当たり前のようにここを大事に思っている人もいるのが推しはかられた。道の曲がり角を袋のように広げたところだから、別に賑わいはないのだが、なんたがドライブインかレストランか、道の駅か、そんな形だ。
  駅の絵を描いている人がいる。また、たまにどこからとなくやってきて撮影する人もいた。廃線のあの狂乱も、こんなふうに始まりは静かなのだった。
  決定の春が来て、初夏になって集まりだし、夏でわあんと盛り上がって、見送って、残った駅や線路のあるのが秋らしい感じで、冬、すすき原にて新しい体制を冷たい空気の中思い描く…。実際の動きとは一致していないが、今は、三木線をめぐる人模様の季節循環が、たまたま現実の季節と一致していたころだった。

駅前はこんなふうに駐車場になっている。

左:電柱に残る「コクテツ」。 右:「国鉄」。

 

 

駅前への入口と駅舎。

上の写真左手の、三木市本町方に至る道。 ちょこちょこ商店が出始める。

県道から駅近くに入っての風景。エンドレール側。 車屋さん?

 

表側から見た様子。

 

 

 

  歩いてきた県道沿いは交通も頻繁だったが、ここはそれに背を向けているから、駅に降り立ったらやはり言われていた通り、街外れの感があるといえばあった。何だかんだ言ってもうここも終わりか。駅舎の待合で座って待った。

  心地よい涼しさで、つい、一見昔のままとしてしまいかけたが、広告が入り、また飾り物も置かれ、くすみながらも色が氾濫していて、民間らしかった。
  水槽があって、小さな魚がいる。眩しい外から隔絶されて、エアポンプの音とともに静かに休んでいた。意地悪そうに「お前ももう撤去だね」。この純粋な目は、どんなふうな人模様を映してきたのかな、と思いかけるが、目というものを見つけると、つい人々を見続けてきているものと感知してしまうだけで、魚は見ていない、見よとしているのは私だ。するとそこにいる魚だけが拡大鏡を通したように見えてきた。水に入れると無垢に呼吸して、ゆるゆる泳ぎ、けれども握れば潰れて死んでしまう、そういう魚を見ていると、いつもここを使いながらもそんなに存続に汲々とせず廃業を惜しまず、バスになったらバスにして、朝急ぐ人々の姿というものが想像された。
  しかししだいに、閉じられたこの中でそうだとも特に知らず、純粋に泳ぐ魚として思い当たると、水槽にさっと冷たくされたようだった。
  ただの水の塊から離れて、入ってきた気動車に向かった。

  気動車内では爺さん同然の駅員が二人出てきていて、整理券箱を開け、また調子が悪いな、この前もや、と言いながら調整していた。駅員であっても何でもできないといけないというようなところなのかと思った。
  停まったままの、帰りの車内で座っていると、高木駅の鯉のぼりが思い出された。結局あの水槽と同じように、私たちのことをそのまま布や小魚で表していると見て、人を楽しませたり、暮らしを楽しそうに見せたり、そういう希望を持てるような解釈がなされていたと取れかけはじめた。すると私の高木駅での解釈は消え、ゆうゆう泳いでいるというようなよくある見方に戻っていった。 そしてそうやって生まれた融和を、仕方なさそうに受け入れはじめた。けれどもそのときには、淡い霞みの向こう、鯉のぼりはゆっくりと引き下ろされ、仕舞われていく映像が浮かび、思わず瞠目しガラスにしがみついた。遅かった。引き下ろしている人は蔑むように厭そうな顔をこちらに向けた。
  飛翔許されぬ鳥として、延々となんとか跳ねてみせようかしら。

車内にて。

まもなく発車。

  列車がいつのまにか走っている。車内に、今はもうありえなかったことのように思われるこの旅の、憧憬記念としてかのように、陽を浴びた鯉のおもちゃが骸(むくろ)のようにかたかた揺れている。

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