Blotter
料理と食事と体力―旅行から帰還
九州旅行から帰ってきたはいいんだけど、10キロ近い荷物を背負ってろくに食べずに歩き回ったせいで帰宅後の疲労がすごいことになってる。何よりも高速バスで京都に着いてから天気がよかったので調子に乗ってまた配信を始めたのがいけなかった。あれがとどめを刺したように思う…
そのせいで帰ってからというもの、昼夜関係なく数時間睡眠をとっては死んだ目で何かを食べる、そしてまた寝る、みたいな繰り返しを延々としていた。料理は全くできず。体中に筋肉が疲れて動かない。よく考えれば、往きしも高速バス、次の日は駅寝、そしてネカフェ宿泊、また高速バスという繰り返しなのだから当然だ。食べてるものはパンとかホットスナック、死んでもおかしくない。
ともかく冷凍食品てすごいなと。こんなに疲れていてもちゃんと食事ができるようになっている。というか、人間、実は食べる言う行為はかなりの体力を要すのであるが、さらに料理までしっかりしようともなると、相当の体力を要すことになる。下手したら、料理しているときに体力を奪われていて、食べるときには食べる体力が少なくっているということが考えられる。そう、外食は実は効率のいい栄養摂取方法かもしれないのだ。というか、人に飯を提供する仕事というのははるか昔からあるわけで、なんとなく納得がいくしだい。
今回疲れ切ってしまったのは、配信のせいが大きい。ジンバルとバッテリー持って動いてしゃべってって、どんななんだ。だからみんな基本は宅内でパソコン配信なのである。家の中ってすごいなと。飲みたいときに茶が飲めるし、お菓子も食べられる。通信も安定している。最高である。が、外の刺激にはかなわないところがある。
とにかく当面は生活を元に戻すのに少々時間を要しそう。
そんなわけで九州旅行から帰ってきて次第なのだが、九州への旅行もこれでもう何回目だろう、5回目くらいになるのかな、もうだいぶ慣れてしまって遠くに来た感じがなかったかもしれない。基本的には日田彦山線の様子をうかがって、久大本線の各駅を覗き、長崎本線の諫早湾沿いの駅に降りた。日田彦山線はBRTになる区間はレールとホームを撤去していた。通常通り復活させればイベント列車を通して人を楽しませることができるのに、これですべては塵芥に帰した。今は七つ星とか36+9列車とか走らせているが、その運行区間やルートだってやがては客に飽きられるだろう。そうしていつものように陳腐化して運航終了、そして廃止。そもそも…金持ち世代がこの世から消えたらああいう列車も姿を消す。そういうビジネスモデルである。
もっとも、地元自治体が要求される費用を負担せず蹴ったので仕方ないのかもしれない。閑散区間なのに地元自治体が特に何もしなくてもJR九州のほうから何くれとなくやってくれる路線もあればこんなふうに即座にゴミ箱にダンクシュートされる路線もあるのか思うとその命運は天命のようなものだろうか。いや、何かとやってくれる路線はそれまでに観光の実績を積み上げていたからなのかもしれない。いずれにせよ、レールとホームの撤去の工事現場を目の当たりにすると、それは大規模な土木工事そのもので、いったい何に対して金をかけているのかわからないくらいだ。「計算」すると、そのほうが赤字が少なくて済む。それはわかる。が、二度と後戻りできないし、生かす機会の眠っている遺産をこの世から消し去ってしまうことになる。
わかるよ。経営者というものは、概して冷酷な判断を好むもの。だって「計算」したらそうなるんだから。カッコイイじゃん。ビルにしても建て替えにしても、なんにしてもすべて計算なのである。時には税金の計算だ。計算が風景を作り、人を大胆な行動へと躊躇なくいざなわせるのである。ガラス張りのビルだって、計算したらああいう建物が建てられるとわかったので、建築されるのである。実はこの辺の問題は根深かったりする。計算屋はみんな根暗で、根暗なやり方で世界を変革しようとする輩である。それはあんまりいい意味での計算ではない。輝かしいビルはいったたいそれを作った人は心の中どれほど小暗いものを抱えているのだろうと思うことがある。だって考えてもみたまえよ、部屋にこもってあんな輝かしいものを夢想して、設計しているんだぜ… 根暗じゃない人は何をしているかだって? DIYだよ! 自分の家くらい自分で木で建てるんだよ。世界にこんな建築も可能であることを示してやろうとか考えない。実は現代音楽もそうなんだよ。根暗な理論で新しい音響体験とか言ってる。まぁはっきり言ってキモいから聞きたくないし、あんまり近づきたくないというのが本音。時間とか空間とかなんとかいって、恥ずかしくないのか。そんなに苦労して作った結果が、なんであんな無様のものなのか。彼らの性格の悪さは群を抜く。そして根暗は神話を捏蔵して根暗を崇拝する。ニュートンはたった一人で部屋にこもって微積を作った!と。今では高校生がマスターして工学の分野では道具として使い倒されている。それでいいんだよ。天才の苦悩とかいうドキュメンタリーを作ってるのも、根暗のなりそこないだろ。まぁ毒舌が過ぎた。しかし、音楽家が時間とか空間とかいうのはもうやめてくれ。横で聞いていて恥ずかしい。あ~自分のことすごいと思ってる根暗ほど実は世の中では一番いらないものかもしれないなぁ~まぁ頭で考えるより体と口を動かせや。頭を動かすのは当たり前! 勉強するのも当たり前! それだけじゃ足りないんだ、と自分に言い聞かせることにします。